「メヂカの入札を電子化する」という計画を聞いたのは数年前でした。
デジタルとは無縁だと思っていましたが、昨秋に電子入札システムが内示され関係者で調整を重ねてきました。
そしてついに今年2月末より清水を皮切りに、窪津、下の加江の市場でも運用が開始されました。
以下は実際の電子入札の流れです。
※セキュリティとプライバシーの観点から画像の一部を加工しています


※同価格の場合は先に入札した業者が優先です

これまでとの違いは!?
情報の伝達がスムーズに!
入札の情報を一括送信することで、これまで漁協の職員が一人一人に電話していた手間がなくなりました。
私たちが電話に出られない場合、何度もかけ直す必要もあり大変だったようです。
より公正に!
同価格の場合(1円を争う入札なので同価格はよくあります)、機械的にルールが決められたので、これまでのくじ引き方式に比べてより公正になりました。

個人的には数字の書かれた箸を引くくじ引きが好きだったのですが、良い数字の書かれた箸を覚えている人がいるという話も聞いたことがありました。


全国でもそれほど例のない電子入札が土佐清水に導入されたのは、過疎地域で人材不足が進んでいることに加えてメヂカという特殊な地域資源も関係あるように思います。
単一魚種で日に何十トンと水揚げがあるため、電子化の恩恵が大きいのではないでしょうか。
今後は鮮魚で競りをしている全魚種に電子入札を広げるという計画も聞きましたが、そちらの方は逆に少量多品種なので難しいように思います。



競りのかけ声や一発勝負の緊張感が好きなので、鮮魚を前に無言でスマホを操作する光景が想像できないです。
様々な分野で電子化の波は避けては通れませんが、今回はシステムを構築中の入念なやり取りや本番前のデモ入札の実施もあり、無理なく導入できたと思います。
今後はデジタルの強みを活かした過去の各市場の水揚げ量や入札のデータが見られるようになることを期待します。


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