きっかけはお客様からの一本の電話でした。
「卵かけご飯専用宗田節から変な臭いがする」
知り合いからのいただきものらしく売り場等の詳細は分からないけど、削り節自体はご存じで匂いがおかしいのは間違いないようでした。
お詫びをして着払いで商品を送っていただくようお願いしました。
届いた商品を検品してみると、通常とは異なる臭いがありカビが発生しているようでした。
節はカビと親和性があり、枯節のように優良カビを付着させることによって品質を高めることもあります。
しかし今回の事例は意図したカビではなく、例え優良カビであっても発生してはいけない商品でした。
なぜカビが発生したのか?
根本的な原因は容器の気密性が低いことでした。
加えて近年の猛暑による高温多湿の環境、さらには宗田節自体にもカビの栄養となる脂肪分が多くなっている傾向もありました。
発売から10年目で初めてのことでしたが、避けて通れないことだったかもしれません。
どうにかしなくてはいけない!
すぐできる対策として、これまでの脱酸素剤に加えて乾燥剤を併用することにしました。
暑さのピークは過ぎた頃だったので、とりあえずは安心ですが根本解決ではありませんでした。
電話をいただいた方には、このカビ対策した卵かけご飯専用宗田節を代替品として送りました。
根本的な解決策は?
やはり密封性の高いガスバリア性のある袋に入れることでした。
また宗田節は乾燥しているので静電気防止機能も必須で、それらを備えた既製品の袋はサイズが無く別注することになりました。
その結果は前回のブログでお知らせした通りです。
袋を試作する過程ではからずも密封性の大切さが分かった比較写真があります。
①脱酸素剤を入れて封をしたもの
②脱酸素剤を入れず封をしたもの
③脱酸素剤を入れたが袋に穴が開いていたもの
①が削りたてに近いのは予想通りでしたが、②もそこまで変わらないのは意外でした。
③は色の変化が大きく、新たな空気(酸素)の流入によって酸化(色の変化)が進むことが分かります。
実は同時に変更したものがもう一つあります。
商品のラベルです。
中袋を使用することでリサイクルマークの表記の変更が必要となったので、卵かけご飯の作り方という付録の部分も一新しました。
以前に栄養成分表示が義務化された際、スペースが少なくなり省略を余儀なくされたおすすめの卵かけご飯の作り方。
スマホの普及率も高くなったことで思い切ってQRコードを載せました。
これでフルバージョンの卵かけご飯レシピを見ていただけるはずです。
まだ仕様変更をして1ヶ月足らずですが、徐々に店頭では置き換わっています。
リニューアルした卵かけご飯専用宗田節を(だし醤油用宗田節も)よろしくお願いいたします。
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