新谷商店の削り節は四代目が削りを担当し、選別・袋詰・梱包・発送は熟練の従業員さんと家族で行っています。
削るのは円盤に刃が何枚も付いた機械で削りますが、それ以外の工程は全て手作業です。
新谷商店ではきれいで美味しい削り節をつくるために、大事にしていることがあります。
1.削るのは最高品質の宗田節のみ
第一に大事なのは「削る宗田節の質」
削りに使う宗田節の質が悪いと、どんなに注意して削ってもきれいで美味しい削り節はできません。
宗田節は原魚のソウダガツオから煮熟・成形で重量が半分ほどになり、その後の焙乾で2割以下まで燻製された保存食品となりますが、身中の脂肪分が焙乾工程や保管中の敵です。
脂肪分が多いと焙乾が効き難く、保管中に酸化して味が落ちます。
削っても身は黄色く、粉っぽくなり匂いも味も良くありません。
土佐清水沖で1-2月に一本釣りされた寒目近は、魚体は中大型ですが脂が少なく削り節に最適です。
気をつけないといけないのは、年々寒目近の質が低下しているので選別が難しくなっていることです。
その分、職人の腕の見せどころではありますが、原魚の漁獲高と同じく質にも毎年危機感を感じています。
2.削りの前の下準備をしっかりと
きれいに削るためには削りの前の下準備が大事です。
一本の節が数千の削り節になるのですから、削る前に余分なものを取り除いておくことが肝心です。
具体的には腹身の部分に少し残った内臓や、硬い皮の部分を取り除きます。
尾部が大きく反り返ったものは切り取ることもあります。
じっくりと蒸して加熱殺菌した後、遠赤外線を照射してきれいに削る前の下準備が完了です。
3.削り機の整備・調整は入念に
宗田節が削り節となる間に接するのは削り機です。
特に削り機の刃の調整・切れ味には気を遣います。
料理人が包丁を手入れするのと同じく毎回削り機を手入れすることで良い削り節ができあがると考えています。
削り機の刃には超硬刃という鉄も削れるような素材が使われていますが、硬い宗田節を削るたびに切れ味が落ちていくので、新谷商店ではこまめに刃を交換しています。
切れる包丁でつくった刺身が美味しいように、削り節も同じです。
すべては美味しい削り節のために。
食べた人が笑顔になる削り節をつくるため、日々考え行動しています。
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