全国カツオまつりサミットin気仙沼の翌日、二平先生に案内していただき気仙沼近くの唐桑半島の鮪立(しびたち)という地区に行きました。
海岸線からすぐ切り立った山になる足摺半島に似た地形で、居住地域も足摺や松尾に近い雰囲気がありました。
また似ているのは見た目だけではなく、歴史も非常に似通ったものがありました。
足摺にも鮪立にも1600年代の江戸時代初期に、紀州和歌山からカツオ一本釣り漁法の原型と鰹節製造技術が伝えられています。
どちらもそれから400年ほどカツオ漁で栄え、昭和30~40年代に足摺はメヂカ漁の宗田節に転換したように、鮪立もマグロ漁が中心となった後、現在はノリ・ワカメ・カキ・ホタテの養殖業が盛んになっています。
そして違うのはここからで、かつて中浜には山城屋(やましろや)という鰹節で一時代を築いた豪商があったのですが今はなく、鮪立には古舘(こだて)という漁業・海運業・林業・醸造業で栄えた家が今も残っているのです。
実は当社は山城屋の跡地に建っており、二平先生が今はなき山城屋の雰囲気を感じてもらえたらと案内してくれたのが今回の目的地「古舘」の鈴木さん宅でした。
大きな家や蔵には圧倒されましたが、穏やかで気持ちの安らぐような居心地の良さが敷地内には漂っていました。
鈴木さんご夫婦のお話を伺った部屋は18畳もある大広間で、明治に建てられ2度の大地震に見舞われたとは思えない手入れの行き届いた母屋の一室でした。
天井も高く、木材保護のためエアコンは付けてないとのことでしたが、真夏にもかかわらず昭和にタイムスリップしたかのような涼しさがありました。
そして圧巻だったのがその部屋から鮪立湾を望む借景!立派な枝ぶりの松から覗く穏やかな湾は、江戸時代の殿様にでもなったかのような気分でした。
その他にも重要文化財級のものがたくさん!
大人も軽く入れるような特大の金庫!
絶対に合鍵がつくれないような数多くの蔵の鍵!
巨大なマグロの水揚げの光景!
現在も特別なときに使用している大釜!
醤油も醸造していた!等々。
初の気仙沼でいきなりディープな場所までご案内いただいた二平先生、そして突然の訪問にもかかわらずご親切に興味深い話をたくさん聞かせていただいた鈴木さんご夫婦、誠にありがとうございました。
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