メヂカの生態についてさらに詳しく見ていきます。
メヂカの成長については前回のブログの通りですが、1年のサイクルは以下ようになります。
それぞれの時期の宗田節も比較用につけました。
産卵期を迎える5~6月が最も脂がのって魚体が大きくなり、産卵後はやせ細り多くは死んでしまいます。
8~9月には子供のメヂカが獲れ始め、秋にかけて徐々に大きくなり、冬季の1~3月が寒目近と呼ばれる最高級の宗田節のできる時期となります。
ここで鋭い方は気付いたかもしれませんが、いくら成長が早いといっても6~7月に生まれたメヂカが8~9月に宗田節にできるほどの大きさになるのか?という疑問がわいてきます。
8~9月のメヂカは笹目近(笹の葉のように小さい宗田節となる)と呼ばれる時期ですが、1匹150~200gのサイズのものが主です。
そのサイズになるには半年近くかかるため、生まれて2ヶ月程度では計算が合いません。
その疑問を解消する答えは以下の図です。
実は高知県沖で漁獲されるメヂカには2つの異なった大きな群れがあるのです。
6~7月に産卵する群れは「日本生まれ」のもの、8~9月に獲れる群れは(1~2月に産卵した)「熱帯生まれ」のものなのです。
こうやって生まれの違う2つの群れが高知県沖を回遊し、一部同化して越冬するので年間を通じて好漁場となるというのが、土佐清水が日本一の宗田節の産地であるという理由の1つです。
※謝辞:今回のブログでは土佐清水漁業指導所や高知県水産試験場の方々に資料やご意見をいただきました、ありがとうございます!
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