宗田節製造の最重要工程の「焙乾(ばいかん)」についてのレポートです。
原魚は12月上旬のめぢか(マルソウダ)、1匹350g前後の平均で少し脂があります。
工程は大きく分けると、①煮熟②セイロ取り③焙乾の3つの工程で行われます。
①煮熟では前日に水揚げされためぢかを1時間から1時間半程度煮ます。
②セイロ取りでは頭・内臓・中骨の順に取り除き、片身の状態にします。
③焙乾で1週間程度じっくり燻して水分を減少させ節にします。
今回はこの各工程でのめぢかの重量の変化について測定しました。
原魚では184g(片身分)のものが①と②の工程を経て、焙乾前には84gとなります。
実に54%もの減少!
これはセイロ取りでの頭・内臓・中骨の除去のみならず、煮熟することで生身の水分が減少することも要因です。
1日目2日目はしっかり火を入れることもあり、水分減少が大きくなっています。
そこからはじっくり火をやり、7日目の34gとなったところで仕上がりました。
最初の生身の状態から18%の重量しか残っていません!
この節では製品歩留18%となりますが、通年でみても20%いかないくらいの平均です。
それほど節の中には旨みが凝縮されています。
おかげで長期保存が可能となり、いざダシをとったときにはその旨みが解き放たれます。
以下に焙乾時の変化の様子の写真を掲載します。
一番左が焙乾前、それから1日毎に並べ一番右が7日後の完成した宗田節です。
全く同じものではないので多少のバラツキはありますが、最初の重量は誤差2g以内に抑えています。
鰹節のデータは多くありますが、宗田節は少ないので何かの参考になれば幸いです。
コメント
コメント一覧 (2件)
東京より鈴木様
コメントいただきありがとうございます。
1度きりの拙いデータですが参考になれば幸いです。
鈴木様の調べられた宗田節の成果見てみたいです。
大変有難いデータ、参考になります。宗田節を色々調べてます。
ご本業と土佐清水のますますのご発展を祈ってます。