黒潮の話~流路の形態~

前回の続きとして黒潮の不思議に迫ります!

まず黒潮の流れの規模ですが、アマゾン川の200~300倍!(季節・場所によって変動)と言われています。
ご存じアマゾン川は世界最大の川で、流域面積は日本の国土の18倍!という想像もつかないスケールですが、黒潮はそのアマゾン川も子ども扱いです。世界中すべての河川を足した流量の50倍もあるとか。
そんな桁違いのスケールなので前回の「黒潮の流れ」の話も「川の流れ」ではなく「風の流れ」に近いという話も納得です。
アマゾン川と黒潮の比較

そしてここからがやっと本題の、メヂカの漁に最も影響する黒潮の流路の話です。
よく黒潮が接岸しているとか、離岸したとか聞いたことがあると思いますが、大きな黒潮の流れもその流れる場所は一定ではなく、様々な要因によって変化します。

その流れる形には2つの安定した型があり、1つが「大蛇行流路」、もう1つが「非大蛇行流路」です。
非大蛇行≒接岸と考えて良いと思いますが、細かく言うと以下の図のように非大蛇行の中にも接岸型(黄色)とやや離岸型(オレンジ)と2種類あります。

黒潮流路

昔は「大蛇行」状態は黒潮が離岸し漁が不安定となる「異変」と考えられていたようですが、近年の研究で安定した1つの型であると考えられるようになっています。

ちなみに2020年10月現在はどうかというと、2017年8月から3年以上にわたって続いた観測史上2番目の長さの大蛇行が終了したかもしれない!?という過渡期に差しかかっている状況です。
※1970年~2020年までの50年間に大蛇行状態は14年と2か月、約1/3の期間が大蛇行状態となっています。

黒潮の魚であるメヂカは、黒潮の接岸が好漁となる1つの条件です。
今年の春目近の記録的不漁も大蛇行状態が大きく関係していると考えられます。

「漁の予測には黒潮の予測」ということで、次回の宗田節ブログはその大蛇行のメカニズムに迫ります。

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